時間〔とき〕の台座

雪溶けの森の奥深く
 
何十年も眠り続け 大きく横たわる塊を見た
 
深く重く静かに呼吸をする様に何かを待つそれは
 
灰色に霧立つ山あいの中で
 
自分は生きた自然の一部であると語っていた
 
 
 
出雲の山あいの製材所でとても大きな欅の大木を見つけた時に自然のままに何か形に表現したいと思いました。
その空気感を店舗に来てくださる人々にも感じてもらう事ができる様、大木でジュエリーの台座を作る事にしました。
 
何人もの協力を得て丸太として切り出し、チェンソーで表皮を落とし、また切り出し。
最後にはまた自然に返す事ができる様、クギやビスを使わない古来の製法で地元の宮大工さんに時間をかけ形にしてもらいました。
 
本来は製品に変わっていくために製材所で長い年月をかけて乾燥していたこの丸太は
ふたたび出雲の山あいに設置する事で、これからまた森の季節と共に移ろいでいきます。
最後の朽ちたその瞬間に東京に運び、生のそのままの姿を店舗に設置して完成となります。
それまでの自然に帰るその姿をリアルタイムの配信を通して見て頂ける様にカメラを設置する準備をしています。
 
 
春は軽やかな鳥のさえずりが聞こえ、
夏には新緑を受けて鮮やかに膨らむ空気の層が見えるでしょう。
秋は実りを待ちわびた動物達がそっと降りてきたり
冬には低い角度の太陽から照らされた雪の表情が見えると思います。
 
 
生の自然とその時間を表す台座を日々の暮らしの中でお楽しみいただけると幸いです。
 
 
※2024年の夏頃に見ていただける様に只今ライブカメラを準備中です。
インスタグラムにてお知らせしますのでフォローして頂ければと思います。